②  ピアノ楽譜の版を調べていると,コルトー版が必ず目に入る。 コルトー版は一見奇妙な運指を振ることで有名で,小生もそう感じる例があったのでここで見てみる。
 次の2小節はコルトー版のハンガリー狂詩曲12番のフリスカ部分に現れる主題で,運指が振ってある。

(MusiXTeX による組版)
この運指はとても自然だと思う。 この後1オクターブ上で同じ音形を繰り返し,少し変形された次の音形が続く。
さっきの運指と違い,ホ音を4で,次のホ音とト音を1と3で,その次のニ音とヘ音を2と4で取るように指示されている。 この部分の譜読みを始めてから2週間程度,小生は次のように刺繍音を取るものだと思った。
しかしこの取り方だと,最初の4の運指の意味が不明だし,次の小節の2と4の和音との接続も悪い。 だが次のように取ったらどうだ。
こう考えると,ホ音を4で取るはじめの指示が,3と5で刺繍音を処理するために手をすぼめる準備だということが分かり,刺繍音で薬指を使わないので,次の2と4の運指との接続も自然にできる。 改めてアルフレッド・コルトーの思慮深さに感嘆した。 このあと,トリルをしながら主題を取ることを右手のみに要求されるが,コルトー版ではトリルをすべて2と3に委ね主題を1のみで取るという大胆な指示もされるので,是非一度目を通してみられたい。
ハンガリー狂詩曲12番の演奏は,マレイ・ペライアのものが好きだ; 参考リンク
MusiXTeX のソース:一つ目,二つ目,三つ目,四つ目

①  最近 Sakana Chat という生成系 AI を見つけた。 有料プランは存在せず,Namazu と Fugu Max の2種類からモデルを選択できる。 本人に聞くと,Namazu は Kimi K 2.6 がベースで,Fugu Max は Gemini や Chat GPT,Claude など多数の AI モデルを指揮する「オーケストレーション」によって生成するという特色があるようだ。 前者の特色は日本語に強いというらしい。 Fugu Max にはある程度の利用制限があるのに対し,Namazu にも一応制限はあるもののほとんど引っかからないようになっているようだ。 正直にいうと,Gemini Pro 3.1 よりも Namazu の方が出力の精度・安定性・pdf 生成などあらゆる面で優れていると感じる。 魚が泳ぐエフェクトも愛らしい。 Gemini 4 Argon が一般利用できるまではしばらく Sakana Chat を使い倒してみようと思う。 (個人的に,Gemini や ChatGPT よりも Sakana Chat が生成する pdf を最も美しく感じる。昔の,タイプライター時代の数学の本の組版を感じる。)
追伸:Namazu も利用制限に引っかかった。 質問責めしすぎたんだろうか。